現在の名称は「京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林」でいいのでしょうか。ずっと「芦生演習林」と頭にインプットされていたので少々違和感があります。
ここには「トロッコ道」として知られた軌道があり、昭文社の「山と高原地図46 京都北山」では森林軌道跡として記載されています。鉄道ファンよりも山歩きをする人に人気の場所らしく、私が訪問した当日も多くのハイキング客や写真愛好家の方々とすれ違いました。
大変貴重な現役トロッコですが、実際に動いているところを見るのはなかなか難しそうです。以前MSN毎日インタラクティブに掲載されていた特集記事は、10月以降見られなくなったようで残念。
芦生研究林の入口です。右の鳥の巣箱のようなボックスに入林申請書を入れます。
クルマは近所に駐車場がありますのでそちらにどうぞ。
構内に入るとすぐトロッコが見つかりました。
赤い屋根の建物で作業をしていた方にお話を伺うと、林道の整備などでたまに動くこともあるそうです。トロッコが入る軌道は1.7km程度。その先も線路は残るものの、あちこち崩れているとのこと。
機関車です。平トロにエンジンを載せたようなシンプルな作り。
前方の箱には何が入っているのかな。
地面に這いつくばって下回りを覗いてみました。チェーンで２軸を駆動しています。ブレーキは前輪左側に１カ所付いてますね。
木製の平トロです。機関車とは連結されていないので予備車でしょうか。
木枠だけのトロッコです。
はやる心を抑えつつ構内を抜け、橋を渡ります。手すりもあってしっかりした作りです。
橋を渡ると鬱蒼とした杉林の中へ。
当日はかなり気温が高かったのですが、木陰は涼しく快適でした。
途中で開けたところもあります。
枕木はコンクリート製。間隔が広いなぁと思ってコンベックスで測ると約90cmでした。ちなみに軌間は762mmです。
また林の中へ。
うねうねとカーブを描く線路と苔むした枕木が最高です。
ちょっと開けたところで分岐がありました。
ここは灰野の廃村付近です。研究林入口から写真を撮りながらのんびり歩いて40分くらいでした。
灰野を抜けると軌道は徐々に荒れてきます。
そしてついに軌道をふさぐ切り株（？）が。
左側に迂回路があるので、まだ先へ進むことができます。
ここでは木橋が落ちて、線路が分断されてしまいました。橋の向こうにも線路が続くので、とりあえず進んでいきます。
先に入山して引き返す人達からは、口々に「途中までしか行けませんよ」と言われました。
どこかに本当の終点があるのかな、と不思議に思いながら歩いていくと通行止。
ここは谷をショートカットする橋が架かっているのでまだ大丈夫。
小ヨモギ谷の出会付近。開けた場所は割ときれいに軌道が残ってます。
軌道はますます荒れてきます。入口から２時間ほど歩いたところでついに通行禁止。
迂回路も無さそうなので、ここで引き返すことにしました。
通行禁止の看板からちょっと戻ってお昼にしました。
補給食と言えばヤマザキの薄皮シリーズ。サイクリングの良きお供でもあります。
銀塩カメラをザックにしまい、デジカメのみでサクサク撮りながら来た道を戻りました。
大きな岩の落ちた衝撃でレールが歪んでますね。
木橋が崩れてレールが宙に浮いてます。
灰野を過ぎるとスタート地点はもうすぐです。
木々の緑に囲まれた線路が美しかったので１枚。
出発から４時間弱で戻ってきました。芝生の中の線路や、木造の建物もいい感じなのです。
帰りに新大谷鉱山跡に立ち寄ってきました。ここはマンガンを産出した鉱山で、亀岡にあった大谷鉱山とは特に関係は無いそうです。現在は「丹波マンガン記念館」となり、見学用の坑道と資料館があります。
坑道の入口付近に斜坑があり、トロッコの線路が延びていました。
トロッコとウィンチ。資料館でもお話を伺ったのですが、動力車は使われていなかったようですね。