1983年の7月、東北本線沿いにあったトロッコを撮影しようとした少年が、列車から転落して亡くなるという事故がありました。その少年は当時高校2年生でしたが、トロッコの博物館を作ることを夢見て全国33か所ものトロッコを調査されていたそうです。私など足元にも及ばないですね。『トロッコが好きだった少年』というテレビ番組にもなったので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
埼玉県鳩山町の鳩山ニュータウンのそばにある「トロッコ公園」は、その少年を偲んで作られたものです。手元にある雑誌では鉄道ファンの1986年9月号にオープンの記事が載っていますので、開設からもう24年になりますか。
トロッコ公園の訪問は今回が初めてでしたが、とにかくロケーションの素晴らしさが印象深いです。この公園を企画した方は、トロッコを探す楽しさと見つけたときの喜びをよく理解してくださったのでしょう。
公園は住宅地を西に進んだ先の丘の上にありますが、場所はちょっとわかりにくいです。
廃線跡を思わせる小径の先に見える怪しい車両。水口建設のトロッコに出会ったときの感動を思い出しました。
銀河ステーションでトロッコとご対面。久しぶりに見るKATOです。
機関車は葛生の駒形石灰工業で使用されたGLです。「聖子型」のエンジンカバーに小さなキャブ、ずんぐりしたスタイルがなんとも愛おしい。ドアや一部の窓が失われているものの、きれいに保存されています。
編成はトロッコ4両と
運材台車も2両連なっていました。
セミの大合唱を聞きながら、銀河ステーションから北へ向かって未舗装の道を歩いていきます。これは第4種踏切かな？
踏切のそばに白鳥の停車場がありました。短いホームと線路が敷設されています。軌間はコンベックスを忘れたので不確かですが、だいたい500mmくらいでした。
白鳥の停車場の先にはキロポストも建っています。
地面に落ちたアブラゼミに注意しながら道を進むと鷲の停車場に到着です。ここの雰囲気もいいですね。どこかの廃線跡と言われたら、そのまま信じてしまいそうです。
さらにその先は道が枝分かれして迷いそうになります。とりあえず広い方の道を進むと階段が見えてきました。ここはインクラインで越える想定でしょうか。
階段の下にまた何か見えてきました。天の川ステーションです。
車両は細倉鉱山から小坂鉱山を経て寄贈されたニチユのBLと、京都の大谷鉱山からやってきたトロッコです。
２本のレールは一つに合わさって途切れています。
この先は少年の旅する銀河鉄道へと続いているのでしょう。